「成田空港第2の開港」がもたらす変容にワクワクドキドキ


千葉県香取市に隣接する成田市を中心に国の重要プロジェクト「成田空港第2の開港」が進んでいる。滑走路を延伸・増設し、成田空港を「アジアのハブ空港」に押し上げようという取り組みだ。これによりもたらされる変容が地域の若者に明るい未来をもたらすことを筆者は願う。

前回までの投稿で千葉県香取市は「発酵と観光のまちづくり」を掲げており、筆者は地域事業者、地域住民を挙げて取り組むべきものだと思っていることを述べた。

筆者が香取市に移住して1年経過したが、地域の方と話をして「発酵と観光のまちづくり」に対するの意識は率直に言ってこれからである。市の取り組みは始まったばかり、当然ではある。そこで市が取り組み出した遠因と私が考えている「成田空港第2の開港」において構想されている数字の話をすると驚かれる方が多い。香取市の取り組みを大きく進めるには、地域のムードづくりがとても重要だと思うので、「成田空港第2の開港」がもたらすと予想されるインパクトについてご紹介したい。

そもそも「成田空港第2の開港」プロジェクトは成田空港の機能を強化しようというプロジェクト。既設のB滑走路は延伸し、新たにC滑走路を新設、国際航空物流機能を高め、成田空港を「日本の空の玄関」から「アジアのハブ空港」に押し上げて日本の国際競争力を高めようという計画です。このプロジェクトで構想されている数字が次の通り。

 空港敷地面積:1,198ha→2,297ha (+9割)

 発着枠:年間30万回→50万回 (+7割)

 旅客数:年間4,000万人→7,000万人 (+8割)

 貨物量:年間200万t→300万t (+5割)

 空港内従業員:4万人→7万人 (+8割)

軒並み5~9割増、今でも日本最大の空港なのに面積が倍近い規模になる。すごくないですか?空港周辺地域では軒並み人口の過疎化が進んでいるのに、空港内だけで3万人の雇用が新たに生まれるんですよ。

こうした状況を受け、国は千葉県について、令和7年7月2日より県全域を国家戦略特区に指定し、さまざまな規制改革の恩恵を受けられるようにしました。

さらに周辺では空港アクセスの改善のため複数の大規道路模工事が進んでます。主要なものを挙げると次の通り。

 圏央道開通:成田空港を通り関東を一周。「発酵の里こうざき」にPA新設。

 東関道開通:潮来ICと鉾田ICを結んで北関東自動車道に接続。

 北千葉道路延伸:外環道と空港を国道464号線で印西市経由で直線的に結ぶ。

千葉県の北総地域は景色も人流も大きく変容することが想像できます。ワクワクしませんか?この変容は周辺地域の経済活性化チャンスでもあるのです。そして香取市の「発酵と観光によるまちづくり」の取り組みは、周辺地域と連携して人流変容がもたらすチャンスをとらえにいく仕掛けとなり得るものだと思います。

良い面ばかり書きましたが、当然弊害もあることでしょう。雇用の急増は賃金上昇を通じて地元企業の経営圧迫要因となりかねません。すすんでいる大規模土木工事や外国人材受け入れが、周辺の住環境にも影響を及ぼすことでしょう。ここはドキドキですね。それでもなお、筆者はこの変容が地域の若者に明るい未来をもたらすことを望みます。今まで空港周辺地域の若者は都会に流出し続けてきました。空港周辺地域はこのチャンスを逃してはならないと思います。