千葉県香取市が誇る発酵食品は馬場本店酒造の『最上白味醂』。江戸時代から手造りの製法で味を守っている伝統みりんです。お土産にぜひどうぞ。
『最上白味醂』とは千葉県香取市の観光地である佐原にある馬場本店酒造という酒蔵で作られている「白みりん」のブランドです。
「白みりん」とは千葉県生まれの調味料で、いわゆる現代の「本みりん」の原型と言われています。現代の分類では「白みりん」は「本みりん」に分類され、もち米、米麹、焼酎または醸造アルコールが主原料。アルコール度数が14度前後と高く、そのままで甘いお酒としておいしく飲むこともできる上質の調味料です。
『最上白味醂』に関する私からの推しポイントは3つ。①上質のおいしさ、②伝統、③ブランド価値。
①同社のこだわりは粘りの強い贅沢で上質な国産もち米を使っていること。「最上」を名乗るに相応しくうまみが凄い。そしてこのおいしい味はなんと江戸時代から続いてきました。代々、味を変えぬよう、江戸時代からの製法を守っているそうです。
②同社の歴史は300年以上と長い。1681~1683年(第二代将軍徳川秀忠がいた時代)に初代が千葉県香取市佐原に移住して糀屋として創業し、酒造りは1840年から。白みりんの醸造も酒造りを始めたころからだそうです。そして、200年も前の天保期に建てられた仕込み蔵が今も現役で使われており、『最上白味醂』はそこで江戸時代と変わらぬ伝統的な手法で手造りされているのです。
③上記の2点だけでも、『最上白味醂』はブランドとして価値が高いのですがさらにもうひとつ。ラベルに『白味醂』が入っていることも実は価値の一つです。「白みりん」はもともと千葉県流山市で生まれたものですが、長い歴史をもつ銘柄で「白味醂」が名前に入っている(私が知る限り)日本で唯一のブランドです。
日常で使える上質の調味料ですので、お土産にするときっと喜ばれます。香取市に観光に来られる方に、自信を持ってお勧めしたい逸品です。

明治30年代から立つレンガ組みの煙突が馬場本店酒造のシンボル(撮影:筆者)